Merging Technologies NADACとは?
NADACを知らない方でも、DAWソフトのピラミックス(Pyramix)を知る方は多いと思います。
原理上、編集ができないDSDのマルチトラックを、PCMのように編集するためのフォーマッ、トDXDへ変換し、DSDの編集作業を可能にしたソフトウェアです。
そのPyramixを作ったのが、Merging Technologiesです。ライブ録音等の一発録りを除く、新譜で発売されているDSD音源の多くがこのソフトで制作されており、その音源を正確に再生するためのに登場したのがこのNADACなのです。
当店では以前よりDLNAサーバーを介すネットワークプレーヤーよりも、PCを使った再生方法を推奨しておりました。
ネットワークプレーヤーは、DLNAサーバー(NAS)をHUBを介して接続します。接続が複雑になる、レスポンスの悪さやタグデータ情報、再生できるフォーマットの制約など、PC再生と比べると不利な点が多いからです。
NADACは従来のUSB/FireWire接続とは異なり、IP伝送(AUDIO over IP)を採用しています。
HUBを介して一般的なネットワークの中に入れて再生することもできますが、音質上は、PCとNADACを1対1で直結する方法を推奨します。
昨今、色々なオーディオ用のNASも登場しておりますが、それらを使い、HUBやLANケーブルを吟味しても、残念ながら直結の音を越えることはできません。
原理上、さらに負荷の多いDLNAサーバーを介すネットワークプレーヤーでは、PCとIP伝送(AUDIO over IP)で直結できるNADACと比べて不利なことは想像しやすいと思います。
実際にNADACの出音を聴いてもらえば、鮮度の高さ、音数の多さに納得して頂けると思います。
NADACは店頭に常設しておりますので、ご視聴可能です。
NADACはなぜ音が良いのか?
NADACのLAN端子は、ピラミックスでも採用している最新のデジタル信号伝送規格"RAVENNA"を採用しています。
RAVENNAはIPベースで動作し、ドライバーをインストールしたPCとNADACをIPアドレスで認識して音楽信号のやり取りを行います。
1. この方式の長所は、まず低ジッターであること
1本のLANケーブルで48ch分のDSD256という大容量の信号を伝送可能です。
また、LANケーブルを100m伸ばしても信号を伝達できる高信頼性も併せ持ちます。
2. 次に、リアルタイム伝送で遅延が少ないこと
元々プロの現場で使われる規格のため、 他の伝送方法に比べて、データ遅延が圧倒的に少ない点も、音質上有利です。
DLNAも含む一般的な通信プロトコルであるTCP/IPは、パケット通信(断片化されたデータを送る、いわゆるバケツリレー方式)であり、リアルタイム伝送ではありません。
NADACは一般的な同軸デジタルや、AES-EBUなどの入力もありますので、普通のD/Aコンバーターとしてもご使用できます。
ここではRJ45 (LAN)入力に焦点をあてて紹介していきます。
良くご質問を受けますが、NADACはUPnP/DLNAサーバーを使用しませんので、一般的なネットワークプレーヤーとの親和性はありません。
再生には必ずPCが必要となります。
※Windows編、Mac編として、設定方法をご紹介しておりますので、参考にしてください。
PCとNADACを直結せずに、HUBを介してネットワーク越しに繋ぐメリットはなんでしょうか?
一番のメリットは、NADAC本体がネットワークに繋がることで、タブレットから、NADACのボリューム、入力切替が出来る事です。
また、WindowsとMacなど、複数のPCと切り替え可能です。
もちろん、それぞれのPCに専用ドライバー入れる必要はございますが、NADACから見た場合は、入力切替でそれぞれのPCと簡単に接続できます。
直結時との音質差を少なくする方法
原理的に直結が一番音が良いですが、ネットワークに入れて使えるほうが何かと便利です。
この場合は、ルーターから直結で各機器には繋がずに、再生するPC、NADAC、(NASを使う場合はこれも)を専用のHUBを介して接続します。
以下にその方法を説明します。
スイッチングHUBについて
ギガビット必須です。
NADACは最大でDSD256マルチチャンネルを100m伸ばしても正確に再生する伝送能力を持っていますが、それにはギガビットが必須となります。
L2スイッチを使い、優先度の変更、VLANの設定を行います。
これは、必須ではありませんが、関係の無いネットワーク機器を隔離した方が、音質面、動作安定面からも有利です。
この方法は、ネットワークプレーヤーをお使いの方でも同様にお勧めします。
以前に、当店ブログで具体的な設定方法を紹介しております。
ネットワークオーディオ向けHUBの考察1
ネットワークオーディオ向けHUBの考察2